アダルティなお金の授業

3つのお金の機能とヒストリー

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そもそもお金ってなんなんでしょうね?

普段何気なく使っているお金について知らないことはとても多いですが、ここでは昔のお金の使われ方を簡単なストーリーにしてみましたので見ていきましょう。

このストーリーに出てくるお金は『貝殻』ですが、今話題の仮想通貨もこの貝殻のように捉えてみてください。

それじゃ、早速みてみましょう!

お金の誕生ものがたり

ここは、今から数千年前の紀元前の誰も知らないはるか昔。

人々はまだ、木にくくりつけた石の槍で

イノシシやシカを撃ち抜いては肉を食べていた時代です。

 

ここに住んでいたキノピオさんはとても狩りが上手で

石斧でどんな動物も捕まえては肉ばかり食べていました。

 

でも、イノシシやシカを毎日殺していたので

体は血の匂いがして獣臭くてたまりません。

 

たまには違うものを食べたいと思ったキノピオは

山で果物ばかり食べている自称世界一の美女の

ホノウ・スワイトさんの所へ行きました。

 

『スワイトさん、俺は動物ばかり殺してるから

体が血生臭くて仕方がないんだ。

それにたまには動物以外のものも食べて見たいんだけど、

君のリンゴと俺の取って来た鹿の肉を交換してくれないか?』

 

するとスワイトさんはにっこり笑って答えました。

 

『まぁ、私もちょうどりんごばっかり食べていて

貧血を起こして倒れてしまったこともありましたの。

毒リンゴかとも思いましたがお肉を食べてないからかもしれないわ。

いいわ、交換しましょう!はい!』

 

するとスワイトさんはキノピオにリンゴを1つ手渡しました。

 

『おいおい、スワイトさん。

俺が鹿肉こんなにどっさり抱えてるのにリンゴ1つだけってことはないだろう?

リンゴを20個は欲しいねぇ。』

 

それを聞いたスワイトは手渡したリンゴをじっと見つめた後、

キノピオの顔にキリッと目をやりこう言いました。

 

『わたしは貧血を起こして倒れたほどのか弱くて美しい女性よ!

リンゴ20個なんて重くて持ってこれないわ!

そうね、じゃぁその鹿肉を半分だけ頂戴。 リンゴ10個くらいならギリ大丈夫だから。』

 

キノピオはスワイトさんが残り9個のリンゴを取りに行く間

鹿肉を持っていた石のナイフで半分に切り裂くと

戻って来たスワイトさんに半分の鹿肉とリンゴを交換しました。

 

リンゴを一つむしゃむしゃ食べながら山を降りたキノピオは

次に残った鹿肉を持って街に出かけると

街に隣接する港へと向かいました。

 

するとそこにはアルエリさんという

貝殻の胸あてをした

カニを捕まえるのが得意な中年の海女さんがいました。

 

『あなた、いいお肉を持ってるわね。

この街では大変貴重だわ。』

 

アルエリさんの後ろに高く積まれたカニを見たキノピオは

アルエリさんの胸あてをちら見した後にこう答えました。

 

『じゃぁ、俺の持っている鹿肉とあんたの持っているカニを

交換しようじゃあないか!

なんせ、クジラに殺されたじいさんが持って帰ったカニが美味くて

その味を忘れられなくてねぇ。』

 

するとアルエリさんは突然吹き出して

ケラケラと笑い始めました。

 

『あ〜ww、そっかそっか。知らないんだっけ?

最近、うちの村長とか町長とか偉い人が集まって

この貝殻で全部ものを交換できるようになったのよ。』

 

そう言うとアルエリさんは胸につけていた貝殻をもぎとって

キノピオに見せてあげました。

 

『お、貝殻の下に貝殻が。。。』

『どこ見てんのよ!』

 

そういうと貝殻を太陽の方へかかげてから

息を吸い込み話を続けました。

 

『いい、この貝殻っていうのが貴重な貝でできていて、

大きさとか綺麗さとかで交換できるものの量とかが決まるのよ。

だいたいこれ一枚で、カニなら2匹、鹿肉なら足一本、パンなら4枚

ってところかしらね。』

 

アルエリさんが太陽に掲げた貝殻がキノピオの目の前でキラキラ輝き

まるでそれがなにか大切なもののように思えて来ました。

 

しばらくアゴに手をやって考えた後、キノピオは口を開きます。

 

『するってぇと、その貝を持ってたら色々交換できるってことか!

確かに便利だが、本当にそんな貝殻で食べ物と交換できるのか?

なんか騙されてるような気がするんだけど。。。』

 

するとアルエリさんはため息をついて答えました。

 

『わたしも最初はそう思ったさ。

でも、街を見てごらんなさい。

誰も食べ物をもらうのに別の交換するための食べ物を

運んでいないだろう?

みんな貝殻で交換できるということで

持ち運びが楽になったし、貝殻だから保管もできるのよ。』

 

辺りを見渡したキノピオは確かに重い食べ物を運ぶ人が

あまりいないことに気がついた。

 

『おお、確かにそうだな。

よし、じゃぁ俺の持っている鹿肉とカニ、それからここにあるリンゴを8個で

その貝と交換してくれないか?』

 

するとキノピオは持っている鹿肉とリンゴをを差し出して

アルエリの持っているカニと貝殻と交換しました。

 

『またカニが欲しくなったらいつでも言って頂戴!』

 

そう言って手を振った後アルエリさんはまたカニを取るために

人魚のように海へと潜っていきました。

 

空がオレンジ色に染まり始めた頃、

貝殻を持ってワクワクしているキノピオが街を歩いていると

店の前に立っていた緑の葉っぱの服を着た青年に呼び止められました。

 

『よっ!鼻の高くて立派なお兄さん!

うちのパンでも見ていかないか? 美味しいぞぉ!』

 

キノピオが店の前にかかっている木の札に目をやるとそこには

「ピーターのパン屋さん 貝殻決済OK!!」

と書かれていました。

 

『お兄さん、ちょっと見ていってくれよ。

ドングリとリンゴの熱々フンワリのうちのパンを食べたら

子供時代を思い出すような優しい気持ちになれるんだ。』

 

青年の勢いに乗せられたキノピオは

そのまま店の中へと入っていきました。

 

『んなっ?んなっ?なっ?

見てくれよ!このパン生地のふんわり感!

まるでベッドの上でジャンプしてたらいつの間にか

空でも飛べそうなくらいふんわりしてるだろ!?』

 

言葉の意味はわかりませんでしたが

キノピオはそのパンがたまらなく欲しくなってきました。

 

『このパン、食べて見たいんだが

この貝殻とパンを交換できるんだよな?』

 

『ええ、もちろんだとも。

お兄さんの持ってる貝殻一枚いただければ

このパン、遠慮なく食べてもいいですぜ!』

 

口からこぼれるヨダレを拭いたキノピオは

我慢できずに貝殻を店主のピーターに渡すと

その場で全部食べてしまいました。

 

『おお、リンゴがジュワーってなって

パンもふわふわで、ドングリもカリカリで

すごく美味しいじゃぁないか!』

 

キノピオはもぐもぐ口を動かしながら

あることに気がつきました。

 

『ん?

おい、店主よ。 このパンにリンゴは何個使ってるんだ?』

 

するとピーターは不思議そうな顔をして答えました。

 

『え〜、半切れも使ってなかったですかね〜』

 

少し焦った様子でキノピオはさらに質問しました。

 

『じゃ、他にドングリは? 生地は?』

 

するとピーターは苦笑いをして

少し黙った後、小声で答えました。

 

『ドングリはその辺の森にあったのを2、3個。

生地は、あっちの店から貝殻1枚でどっさりと

粉をもらってるんでそれを使ってまっせ。』

 

するとキノピオは顔を強張らせ

少し不機嫌そうな声でこう言いました。

 

『おれはこの貝殻をリンゴ8個でもらったんだぞ!

なのに、お前はリンゴを半切れも使ってなく

そこらへんのドングリと粉で貝殻を手に入れるのか!』

 

ピーターは毅然とした態度で言い返しました。

 

『ええ、もちろんそうですとも。

この貝殻が貴重なように、わたしのパンも

他に作れる人はいない貴重なものなんです。

街中のみなさん噂をしているでしょう。

ピーターのパン!ピーターのパン!と。

貝殻は扱う人によってその価値が上がったり下がったりする

不思議なものでもあるんですよ。

気に入らなければ交換しなければいいはなしです。』

 

そういうとピーターは店じまいをするために

店の奥へと入っていきました。

 

『お、、おい、ちょっと待て!』

 

夜が来る前に帰りたいキノピオは

仕方なく肩を突っ張らせながら店を出て

もっと鹿肉を持って来て貝殻を集めてやると心に誓い

山へと帰っていきましたとさ。

お金には3つの機能がある

さて、お金の歴史はいかがでしたでしょうか。え?も...もちろん実話ですよ?

まぁそれはともかく、お金にはどんなものにも3つの機能というものがありました。この貝殻のお話の中にも出てきましたが一体その機能とはなんでしょうか?今現在、このお金の機能のうち3つとも使いこなしている人はおそらく半分くらいでしょうかね。

少し考えてみてからこの先を読んでみてください。

1、交換機能

お金は何のために持っているか、もしくはなんでみんなお金が欲しいのかといえば、この交換機能があるからです。

ものがたりの中では貝殻がお金の代わりになっていて、その貝殻一枚とリンゴを8つ交換しているシーンがありました。ほかにも、海女さんのアルエリは「カニなら2匹、鹿肉なら足一本、パンなら4枚」と言っていました。

つまりその貝殻を持っているだけで、その貝殻の価値を認める人の間ではあらゆるものと交換することができたというわけです。逆にキノピオが疑っていたように、その貝殻の価値を認めない人に貝殻を渡したとしても何とも交換してくれないでしょう。

たとえば、パン屋のピーターが手に入れた貝殻一枚は元々はリンゴ8個と交換したものでした。それをリンゴ8個よりもはるかに低い価値のもので手に入れることに成功しています。この交換機能だけでも貝殻、つまりお金を手にすることができるのです。

このように、低い価値で手に入れたものを高い価値で貝と交換できればお金は増えます。さらには、リンゴのように消えてなくならないものであれば自然とお金は増殖していきます。

これは暗号通貨や仮想通貨と呼ばれるものも同じで、デジタル上に存在する通貨をお金と信じる人が多いからそこに価値が生まれて、何か別のサービスと交換できるということになるのです。

貝殻の大きさやキレイさで価値が変わると言っていましたが、お金には交換するためのものさしとなるものが必要となってきます。

2、価値の蓄積・保存機能

鹿肉ならば塩漬けにでもしなければ腐って食べられなくなります。そのほかのカニやパンもその日のうちに食べてしまわなければ美味しくないので、みんな急いで獲ったら交換をしなければなりません。

ところが、貝殻であれば持っていれば腐ってなくなることはないので、その価値を保存しておくことができます。アルエリが胸に当てていた貝殻のように持ち運びもとても簡単になるのです。

3、増殖機能

お金には増える性質があります。それこそ、植物と同じように必要な環境がそろえば自然と育っていきます。

たとえば、ピーターの借りているパン屋の家は、ティンカー・ビルさんというオーナーから借りていますが、ビルはピーターに家を貸しているだけで売り上げの一部をもらうことができています。これも最初に家を建てた値段よりもたくさんお金を受け取っていることになる例です。

さらに、ティンカー・ビルが家を建てる時に貝殻を貸したクック支店長は、貝殻をたくさん貸すかわりに、少しずつでいいから多めに返すことを条件に貝殻を渡しました。多くの貝殻持ち、いや、お金持はこの増殖機能をフル活用しています。

まとめ

あなたは3つのお金の機能のうちどれを多く使っているでしょうか?交換?保存?それとも増殖?

世の中の多くの人たちは自分の体と時間から労働力というものを差し出す代わりにお金を受け取っています。すなわち、交換機能を多く使っているわけです。そして交換して手に入れたお金をさらに食べ物や衣服と交換しています。

あるいはその手に入れたお金の一部を保存してます。ちなみに銀行が出てくるのはもっとずーっとあとなのですがそのお話はまた別の授業でお話していきます。

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